トピックス

こどもの血清尿酸値と生活習慣病

長野県内3中学校の一般中学生を対象とした最近の私たちの調査研究により、男子で血清尿酸値6.4mg/dL以上を示す群では4.9mg/dL未満の群に比較して、腹部肥満、脂質異常症、耐糖能異常、高血圧の4項目中2項目以上を合併するリスクが2.59倍高値を示すことが明らかになりました。この結果は、血清尿酸高値を示す男子は複数の生活習慣病を併発している可能性が高いことを示唆し、私たちは生活習慣病の予防に向けて学校健診で血清尿酸を測定することが望ましいと考えています。

(本郷 実)

一般中学生の生活習慣と脂肪肝

一般中学生を対象とした最近の私たちの調査では、脂肪肝の存在は肥満やALT高値と極めて密接な関連を示していました。生活習慣に関するアンケートでは、朝食を週2回以上抜く、ラーメンの汁を飲み干す、学校まで車で送ってもらう、放課後に部活動などで運動する機会がない、運動が嫌い、の項目が脂肪肝合併例で有意に高頻度でした。この結果は、脂肪肝・肝機能異常が不規則な食生活や運動不足に関連する可能性を示しています。私たちは生活習慣に起因する肝臓病を早期発見・予防するために、学校健診での採血で血清ALT値の測定を追加することが望ましいと考えています。

(田中直樹)

肥満はいけない?

私たちのグループがまとめた長野県内の中学生600人の健康診断検査結果から、肥満体型であった50人のうち27人が、脂質、血糖、尿酸、血圧のいずれかまたは複数の項目が基準範囲より外れていました。残りの23人の検査結果はいずれも基準範囲内でした。一方、肥満でなかった生徒のうち80人は脂質検査が基準範囲より外れており、その内10名は、血糖、尿酸、血圧のいずれかまたは複数の項目が基準範囲外でした。肥満であってもなくても、検査項目の複数が基準範囲外であれば、注意が必要と考えられます。

(日高宏哉)

食育SATシステム

ICタグを内蔵した実物大のリアルにつくられた食品(フードモデル)をテーブルに並べ、バイキング形式で食事を選択してトレイに乗せます。そのトレイをセンサーボックスに乗せると、瞬時にICタグのデータを読み取って栄養価計算を行うシステム(下図)で、食事の組み合わせや、普段目にみえないエネルギーや栄養素の量などを、「直感的にトレーニングする」ために開発されたものです。年齢、体格、性別、身体活動レベルなど対象者に合わせて栄養基準を設定するので、繰り返し使用することにより、直感的に食事選択能力が身につくことが期待されます。

(阪口しげ子)

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